大判例

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東京地方裁判所 昭和40年(タ)26号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕先ず、被告である検察官が、本件認知無効の訴訟につき被告たる適格を有するか否かについて判断する。大審院民事第三部が昭和九年七月一一日言渡した判決(同年(オ)第四四号、身分関係確定事件、民事判例集一三巻一七号一三六一頁)、同民事第三部が昭和一七年一月一七日言渡した判決(昭和一六年(オ)第四七二号私生子認知無効宣言請求事件、民事判例集二一巻一号一四頁)は、いずれも認知者が死亡した後には認知を無効と主張する者が検察官を被告として認知無効の訴を提起し得る旨を定めた規定が無いことを理由として、消極に解しているけれども、それは形式論理を操る誤りを犯しているものであつて、これに左祖し得ない。もし判例のように解釈しなければならないとすれば、認知者が遺言により子を認知した場合、子又は利害関係人は、民法第七八六条により、その認知に対し反対事実を主張する途が全く閉されることになる。民法はかような不合理な事態を肯定して規定されたものであろうか。当裁判所は、山木戸克己教授の人事訴訟法(法律学全集)七六頁、我妻栄博士の親族法(法律学全集)二四〇頁、木村健助教授の民商法雑誌一五巻六六三頁の見解に従い、問題を積極に解する。したがつて、原告は検察官を被告として本件認知無効の訴を提起し得、被告は正当な当事者である。(鉅鹿義明)

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